非対面取引の本人確認について

インターネットなどで非対面で中古品の仕入れを行なう場合は、対面で仕入れを行なう場合とは異なり「非対面取引の本人確認方法」で相手方(売り手)の本人確認を行なっていただく必要があります。

非対面取引の本人確認方法は以下の通りです。

(文中の相手又は相手方とは古物商へ売る方のことです。)

 

①相手から電子署名を行ったメールを受け取る。

 

②相手方から地方公共団体情報システム機構が発行した電子証明書と電子署名を行なった住所、氏名、職業及び年齢に係る電磁的記録の提供を受けること。(この方法を行なうことができる古物商は総務大臣が認定した署名検証者に限ります。)

【例】相手方に古物商のホームページの中古品の買取申請に係る電子署名を用いて申請様式に必要事項(氏名、住所、職業、年齢)を記入させ、売主の秘密鍵が格納されたマイナンバーカードをパソコンに接続されたカードリーダーにセットさせ、秘密鍵を使用するためのパスワードを入力させ、申請様式の電子署名に係る該当箇所をクリックさせて、古物商に送信させ確認する(注1)

(注1)古物商の確認方法

・システム上電子証明書の有効性を確認する。

・電子証明書の公開鍵で電子署名を復号し、申請書と照合する。

・電子証明書の氏名等と申請書の氏名等を目視で確認する。

*この方式を行なうことができる古物商は、総務大臣が認定した署名検証者に限られます。

 

③相手方から特定認証業務を行なう署名検証者が発行した電子証明書と電子署名を行なった住所、氏名、職業及び年齢に係る電磁的記録の提供を受けること。

【例】相手方に古物商のホームページの中古品買取申請に係る電子署名を用いて申請様式に必要事項(氏名、住所、職業、年齢)を記入させ、売主の秘密鍵を格納させたICカードをパソコンに接続させたカードリーダーにセットし、秘密鍵を使用するための該当箇所をクリックさせ、古物商に送信させ古物商が確認する。

 

④相手から印鑑登録証明書及び登録した印鑑を押印した書面(注2)の送付を受ける

*併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければなりません。

【例】品物と一緒に、押印した申込書、押印した印の印鑑登録証明書を送付してもらう。

(注2)書面には制限がなく買取り申込書、査定申込書等の他、印影以外の文字等が記載されていないものも可です。

 

⑤古物商が相手方に対して本人限定受取郵便等(注3)を送付してその到達を確かめること。(注4)*併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければなりません。

【例】申込書と品物を送ってもらったら、相手に、本人限定受取郵便で見積書を送付し、受け取った相手から連絡(メールでも電話でも可)をもらう。

(注3)郵便局が行なう本人限定受取郵便のほか、信書便事業者が身分証明書等の提示を受けて名宛人本人であることを確認した上で、本人に配達する信書便物のことです。単なる宅配便は、これには当たりません。

(注4)「到達を確かめる」の方法としては、以下のものがあります。

・送付した本人限定郵便物等(簡易書留等による場合の到達確認も同様、以下同じ)を古物と同封させて返送させる方法
・本人限定受取郵便物等により受付票等を送付し、当該受付票等を古物と同封させて返送させる方法
・本人限定受取郵便物等に受付番号を記載して送付し当該受付番号等を相手方から電話、電子メール等により連絡させる方法
・本人限定受取郵便物等で往復葉書を送付し、その返信部を相手方から送付させる方法
・本人限定受取郵便物等で梱包材を送付し、その梱包材に梱包して古物を送付させる方法(古物商が送付した梱包材と相手方から送付を受けた古物の梱包材との同一性が判断できるように自社専用で第三者が入手できない梱包材を使用する。梱包材個別の番号を付しておくなどの措置が必要です。

 

⑥古物商が相手方に対して本人限定受取郵便等(前記注3と同じ)により古物の代金を送付する契約を結ぶこと。(注5)

*併せて相手方からその住所氏名、職業、年齢の申出を受けなければなりません。 

【例】代金の支払いを本人限定受取郵便で現金書留で行なう。

(注5)合意された方法により実際に支払いが行なわれることを前提としているので、古物商が当該合意と異なる方法により代金を支払う場合には、改めて売主の真偽を確かめる措置が必要となります。

 

⑦相手方から住民票の写し等(「写し」とは、コピーのことではありません。「住民票の記載事項証明書」、「戸籍謄本・抄本」、「印鑑登録証明書」など市区町村の窓口で取った各種証明書のことです。)の送付を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等(注6)を転送しない扱いで送付して、その到達を確かめる(前記注4に同じ)

*併せて相手方から住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければなりません。

【例】住民票と品物を送ってもらったら、転送しない取扱で簡易書留で見積書を送り、その連絡をもらう。

(注6)宛先に届けて、受領印をもらうものであることが必要です。営業所留めで受け取れたり、集合ポストに配達する、お隣に預ける等のものはこれに当りません。

 

⑧古物商が相手方から住民票の写し等(前記7「写し」と同じ)の送付を受け、そこに記載された本人名義の預貯金口座等(預貯金口座又は郵便振替口座)に古物の代金を入金する契約を結ぶこと。

*併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければなりません。

【例】住民票と品物を送ってもらったら、住民票と同じ名前の口座に代金を振り込む。

【例】法人の取引担当者の住民票の写し等と品物送付を受けるとともに、法人の登記事項証明書及び取引担当者が法人の取引を担当している旨を記載した委任状等の送付を受け、同法人名義の預貯金口座に振り込む。

 

⑨相手方から身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等のコピー(注7)の送付を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等(注6)と同じ)を転送しない扱いで送付して、その到達を確かめ(注4)、併せてそのコピーに記載された本人の名義の預貯金口座等(預貯金口座等又は郵便振替口座)に古物の代金を入金する契約を結ぶこと。(そのコピーを取引の記録とともに保存することとする。)

*併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申出を受けなければなりません。

【例】免許証のコピーと品物を送ってもらい、見積書を転送しない取扱いで簡易書留で送り、相手から連絡をもらって、その名義の口座に代金を振り込む。

【例】デジタルカメラや携帯電話のカメラ機能で撮影した免許証などの本人確認書類の画像をメールに添付してもらって相手方から申し込みを受け、古物商がその住所、名前に当てて、宅配業者の集荷サービスによる集荷を依頼(注8)し、その住所、名前の者から集荷が行なわれたことを確認した上で、その者の名義の口座に代金を振り込む。、

(注7)コピー等には、免許証等のコピーのほか、コピーと同程度に鮮明で住所、氏名等の記載内容が読み取れるのであれば、写真画像やスキャナーで取り込んだもののデータファイル、それを印刷した物も含まれます。

(注8)宅配便の集荷サービス利用の場合は、それが「転送不要の簡易書留を送付してその到達を確認する」と同様の内容であるものに限ります。つまり、

・古物業者が宅配業者の集荷サービスを依頼すること(申込者(客)が自分で集荷依頼をするのではない)

・宅配業者が申込者(客)の住所地に確実に赴いて集荷するものであること(他の場所での集荷に応じない)

・集荷の際の記録が宅配業者に残るものであり、住所地で集荷した事実が確認できるものであることが必要です。

 

⑩IDとパスワードの送信を受けること等により、相手方の真偽を確認するための措置を既にとっていることを確かめること。(注9)

【例】ホームページ上で取引を行なう場合で、前記1~9及び下記11~15の確認方法をとった相手に「IDとパスワード」を付与し、2回目以降、同人からの申し込みに際しては、ホームページ上からIDとパスワードを入力することによって確認でき、会員ページにアクセスできる。

(注9)2回目以降の申し込みで、メールや申込書に発行した会員番号やパスワードを記載させるだけでは、これに当りません。

 

⑪相手方から運転免許証、国民健康被保険者証等の異なる身分証明書のコピー2点又は、身分証明書等のコピー1点と公共料金領収書等(コピーも可)(注10)の送付を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等(注6に同じ)を転送しない取扱いで送付して、その到達を確かめる(注4に同じ)こと。

*併せて相手方からその住所、氏名、職業、年齢の申し出を受けなければなりません。

(注10)領収書等(国税や地方税又は納税証明書、社会保険料の領収書等)は領収日又は発行年月日の記載があるもので、相手方から送付を受ける日の6ヶ月以内のものに限ります。

*送付された書類は帳簿等と一緒に保管する必要があります。

 

⑫古物商が提供したソフトウェア(注11)により、相手方から運転免許証等の身分証明書を撮影した画像(注12)の送信を受け、そこに記載された住所宛に簡易書留等を転送しない取扱いで送付して、その到達を確かめる(注4に同じ)こと。

 (注11)古物商が提供するソフトウェアは、古物商の委託先が開発したソフトウェアや、第三者が開発したソフトウェアでも可能です。

(注12)送信してもらう画像については、画像の加工が可能であるものや、あらかじめ撮影された画像を受けることは認められません。身分証明書等の表面だけでなく、裏面や厚み等その他の特徴が分かるように送信を受けること。

*送信された画像は帳簿等と一緒に保存する必要があります。

 

⑬相手方から運転免許証等のICチップ情報(住所、氏名、年齢、生年月日)の送信を受け(注13)、当該情報に記録された相手方の住所宛に簡易書留等を転送しない取扱いで送付して、その到達を確かめる(注4に同じ)こと。

(注13)ICチップ情報は真正なものが送信されなければならないことは勿論であることから、具体的には秘密鍵で暗号化されているICチップ情報に係る事項の送信を受けて、これを公開鍵で復号することによって、真正なものであることを確かめる必要があります。

 

 ⑭古物商が提供したソフトウェア(注11)に同じにより、相手方から容貌を撮影した画像(注14)の送信を受け、及び運転免許証等の本人確認書類(写真付のもの)の画像(注15)の送信を受けること。

 (注14)送信してもらう画像については、画像の加工が可能であるものや、あらかじめ撮影された画像を受けることは認められません。画像は静止画に限られず、リアルタイムビデオ通話による動画等も含まれます。

(注15)運転免許証であれば表面だけではなく、裏面及び厚みの画像の送信を受け、マイナンバーカードであれば、表面及び厚みの画像の送信を受けて下さい。但し、マイナンバーカードの裏面には個人番号が記載されていることから送信をうけないように注意して下さい。

*送信された身分証明書等の画像は帳簿等と一緒に保存する必要があります。 

 

 ⑮古物商が提供したソフトウェア(注11に同じ)により、相手方から容貌を撮影した画像(注16)の送信を受け、及び運転免許証等の写真付身分証明書等のICチップ情報(写真を含むもの)(注17)の送信を受けること。

(注16)送信してもらう画像については、画像の加工が可能であるものや、あらかじめ撮影された画像を受けることは認められません。

(注17)ICチップ情報に写真が含まれている必要があります。ICチップ情報は真正なものが送信されなければならないことは勿論であることから、具体的には、秘密鍵で暗号化されているICチップ情報に係る軸尾の送信を受け手、これを公開鍵で復号することによって、真正なものであることを確かめる必要があります。

 

上記の身元確認を行わずに買い取った場合は懲役6か月以下又は30万円以下の罰金・併科になります。

 

ただし例外的に次の場合は身元確認が免除されます。

①1万円未満の取引をする場合

 ただし、バイクと原付・CD・DVD・ゲームソフト・本は免除されません

②自分で売却したものを売却した相手から買い受ける場合

★免許証のコピーを送ってもらうだけでは違反です。また1万円未満の取引であっても、18歳未満からの買い取りではないことを確認する必要があります。