メルカリshopsと古物商について

メルカリが「メルカリshops」という事業用のサービスを開始しました。

通常のメルカリでは事業目的での利用ができなかったのですが、メルカリshopsを利用することで営利目的で販売することが可能になりました。

そこでメルカリshopsを古物商として利用する場合について考察したいと思います。

 

【古物商としての利用の可否】

まず古物商としてメルカリshopsに出店可能であるかについてですが、答えは「可能」です。

こちらのページに許認可証が必要な業種として古物商が載っているため、古物商の利用も想定されていることが分かります。

 

【匿名性について】

次に通常のメルカリの特徴である「匿名性」についてはどうでしょうか。

メルカリを古物営業に利用したいという声が多い理由の一つとして、その「匿名性」が挙げられると思います。

自分の住所と名前を知られることなく販売を行なうことで万が一トラブルが発生しても家に押しかけられたりする危険を回避することができるからです。

(お住まいの住所を載せないことが可能かどうかについてはこちらのブログも合わせてご覧下さい。)

これについてはこちらのページに次のように書かれています。

 

メルカリShopsでは、特定商取引法に基づき運営者情報の開示をおこなっております。

ただし、アプリ上では表示されず、開示請求がおこなわれた場合にのみ、開示請求者に対し個別に情報開示をおこなっています。

 

 

通常時はアプリ上では表示されないと書かれているのでワンクッションあり多少の安心感がありますが、「開示請求が行なわれた場合のみ運営者情報を開示請求者に対し個別に情報開示」すると書かれていますので匿名での利用はできないということになります。

また特定商取引法とは別に古物商としてインターネット上に出店する場合は、古物営業法上、氏名又は会社名と許可番号と公安委員会名を表示していただく必要がありますので、いずれにせよ名前を伏せての利用はできません。 

 

★2022年4月からメルカリshopsで個人・個人事業主に限り「住所及び電話番号のみ」非公開にすることが可能になりました!ショップの利用者が運営者情報の開示請求をした場合でもメルカリの運営会社である株式会社ソウゾウの住所と電話番号が開示されます。(ただし、販売者名は非公開にすることはできないためショップに登録した氏名が開示されます。)(2022/4/17更新)

*特定商取引法上、事業者情報の表示義務が課されているにもかかわらず、なぜ上記のようなサービスの提供が可能になったかについてはこちらをご覧下さい。

 

【仕入れでの利用の可否(本人確認の可否)】

通常のメルカリでは匿名性から相手方の本人確認ができないため仕入れでの利用もほぼ不可能でしたが、メルカリshopsではどうでしょうか。

 

メルカリshopsについて書かれたページで古物商が仕入れにメルカリを利用することについて書かれた箇所がないか探しましたが特にそれらしいものは見当たりませんでしたので現時点では古物商が仕入れのためにメルカリshopsを利用することは想定していないようです。

メルカリで仕入れを行ないたいという問い合わせも多いので、今後、メルカリが古物商向けに「仕入れ時の非対面取引の本人確認が簡単に行えるサービス」を開始すると古物商の利用者も増えるだろうなと感じました。